試飲会には皆様のご来店ありがとうございました。
最後、ワインが足りなくなりご迷惑をおかけいたしました。お詫び申し上げます。
まずは
〇『ピンク』2011年 ドメーヌ・ド・ラ・ブリヤーヌ フランス コトー・デクス・アン・プロヴァンスA.O.P.750ml 2070円税込み
「おー、色が綺麗ですね。夏向きですな(笑)。」
「これってロゼですか?」
私「感覚的には白ワインを造るように造られてます。黒葡萄で白ワインを造る過程で色が付いたような感じですか。」
「プロヴァンスって言うとセザンヌが好んだ南フランスですよね。」
「そうそう。サント・ヴィクトワール山でしたっけ。」
私「あの山の麓の標高400mほどの斜面に畑はあります(笑)。」
家内「標高が高いので、厚ぼったくないですよね。酸はしっかり入ってますが、とてもエレガント。」
「なるほど、たしかに。だから順番が急遽変わったんですね(笑)。」
私「ブログお読みになりました?」
「はい!(爆笑)」
私「この『ピンク』は最後の赤を飲んだ後にまた戻って飲んでも味が霞みません。軽いのですが実にしっかりしています。」
「うーん。たしかに。ワインとして完成してるんですね。」
「マスキューさん、このワイン表記がA.O.P.となってますが?A.O.C.じゃないんですか?」
家内「2011年からA.O.C.はA.O.P. D.O.C.はD.O.P.と表記するようです。EUの法律に合わせる足並みのようです。ちなみにPはプロダクトです。」
「勉強さぼると置いてかれますね(笑)。」
あと、今日は飛び入りで『ピンク』のインポーターのSさんが参加してくださりました。ちょうど私が配達に出た後で家内一人になりごった返していた時でしたから、助かりました。彼女フランスから帰ってきたばかりで、現地の生情報を教えてくださり、皆さん盛り上がりました。ありがとうございました。
さて次はイタリアの白二連発です。
〇ファランギーナ サンニオ ビオロジカ 2010年 タブルニ・ドムス イタリア カンパーニャ サンニオD.O.C.白750ml 1320円税込み
〇『テバルド』 2011年チウ・チウ イタリア マルケI.G.P.白 750ml 1770円税込み
「『ファランギーナ』って何ですか?葡萄品種?」
私「そうです。ギリシャから伝わった古い葡萄品種のようです。イタリアには沢山この手の古い葡萄が沢山あります。」
家内「一村に一品種と言っても良いくらいです(笑)。D.O.C.が多い訳です。」
「味は独特ですねぇ。あと苦みも独特。」
「うんうん。でも嫌な苦みじゃない。」
私「柑橘類の皮のようですよね。味わいとしてある苦みですね。青野菜に合わせ易そうですね。」
「オレンジや梨?の香りがするね(笑)。」
「私タブルニ・ドムスの『グレーコ』凄く好きなんですが、あれほどトロトロじゃないんですね。」
私「私も『グレーコ』みたいにトロトロかと思ったんですが、違いました(笑)。どうやら意図が違うようです。」
「こっちの方が幅広く料理に合わせられますよね。」
「果物を丸ごとワインにしたみたい(笑)。とってもジューシー。」
「甘さがありますよね。」
私「たしかに甘く感じますが、残糖分ではありません。口の中でべたつきません。」
「経験したことがない白ワインですね。」
家内「つぎのチウ・チウも変わってますよ(笑)。イタリアの真ん中のマルケ州のワインでシャルドネメインでソーヴィニヨン・ブランがちょっと混ぜてます。」
「これもまたフルーティー(笑)。」
「ホントにシャルドネですか?!」
私「そーなんです(笑)。ソーヴィニヨンは入ってますが、別物ですよね。」
「なんて言ったらイイんだろう。複雑で香水みたい。」
「メロンっぽい(笑)。あと塩からさがある。」
「今日のはみんな塩からい(大爆笑)。」
私「生ハムメロンのためにあるワインかと(笑)。」
「それ鉄板!まんまですよ(笑)。」
「『ファランギーナ』と『チウ・チウ』のどちらか選べと言われたら困りますね。(笑)。」
私「はい。それは好みの問題かと。両方選んでも良いかと(笑)。」
「わたしは名前が可愛いから『チウ・チウ』派(笑)。」
家内「それも有り(笑)。」
それにしてもイタリアの白ワインは進化しました。温度管理が出来るようになってから、格段の進歩です。葡萄のアロマがこんなにも多量で、バリエーションもこれほど豊富とは!この多様性は世界に誇れますね。
さて後半戦は赤ワインです。まずはタブルニ・ドムスの造るアリアニコです。
●アリアニコ サンニオ ビオロジカ 2008年 タブルニ・ドムス イタリア カンパーニャ サンニオD.O.C.赤 750ml 1320円税込み
私「2008年ですが、早飲みのアリアニコです。木樽熟成はしていません。」
「重くはないけど濃い!」
「割と酸っぱい。でもフレッシュ。あとスパイシー。ちょっとシラーっぽいかな。」
「赤いベリーの香りがアリアニコらしいね。タンニンも柔らかいし。」
「アリアニコって長く熟成させたワインだけじゃないんですね。」
そうこうするうちにチョコレートみたいなカカオっぽさが出てきました。
「おっ!カカオっぽい。」
「チョコレート食べながら飲むとマリアージュしますよ(笑)。試してください。」
「おー!口の中で化学変化が!」
「口の中で爆発しますね(笑)。」
「マスキューさん、アリアニコってチョコレートの味がするんですね。」
私「そーなんです。このワインは木樽を使ってませんから、チョコレートのニュアンスは葡萄果由来です。ただしすぐには出てきませんが。」
「うーん。深みが増した感ですね。」
「マストロベラルディーノのワインもこんな感じですか?」
私「基本的には同じですが、ワインのランクの差はあります(笑)。」
家内「いずれにせよ。美味しくて飲み頃のアリアニコってなかなか当たらないんですよね。」
「私もナポリでずいぶんアリアニコ飲みましたよ。向こうではテーブルワインとしても飲みます。でも感動するようなデイリーのアリアニコは無かったでした。このワインは優秀です(笑)。」
次は私の好きなロワールのカベルネ・フランが続きます。
●ソーミュール・シャンピニー2009年 ラングロワ・シャトー フランス ロワール 赤 750ml 1620円税込み
私「私の大好きなラングロワ・シャトーのワインです(笑)。2008年はジャンプして2009年です。」
「密度感ありますね!」
私「2009年は良かったみたいです。」
「独特!土臭い?」
家内「鉄っぽい。あと血みたいなニュアンスがあります。」
「ロワールのフランって、昔はよく青臭さがあったけど、これは無いですね。」
私「そーなんです。このワインは完全に除梗してますし、収穫のタイミングや撰果が完璧由かと。」
「なるほど。それにしても香りの伸びが凄いですね。」
私「凄いベクトルなんです。」
「合わせる食べ物はなんでしょう?」
家内「臭い系の肉は合いますよね。あとカツオも合いますよ(笑)。」
「なるほど!カツオですか。」
「鹿肉なんかも良いんでしょうね(笑)。」
「私はなんと言ってもジンギスカン!」
私「それ、現実的でイイですね(笑)。さすが北海道ご出身!」
「このワインも早飲みなんですか?」
私「はい。基本的には早く飲めるように造られてますが、これほどしっかりしているとボジョレーの早飲みとは違った早飲みかと(笑)。」
「飲む前日に開けておくのが良さそう(笑)。」
私「おっしゃる通り!」
さて本日のファイナリストの登場です。
●『クロー・ド・ネル』アンジュ・ルージュ カベルネ・フラン 2003年アン・クロード・ルフレーブ・エ・クロード・ピシャール フランス ロワール アンジュA.C. 750ml 3240円税込み
「おー!旨い!」
「圧倒的!」
「これって前に飲んだカベルネ・フランと同じ品種ですか?」
私「そーなんです。クロー・ド・ネルの方は古い木樽で3年熟成させています。」
「ネルは長期熟成型なんですね?」
私「はい。樽の香りはしませんが、熟成の結果だいぶ落ち着いてきて、ようやく飲み頃の初めに入ったところかと。」
「それにしても物凄い香りの分量ですよね。しかもまだまだ隠れている!」
私「底が見えません。この先どう成長するか見当がつきません。3日かけて飲みましたが、手の内は解りませんでした。」
「少なくとも5年後には一度飲んでみたいね。」
「今までの経験を越えたワイン。なんと表現したら良いか解りません。身の置場に困ります。」
「味も良いけど、ラベルもカッコイイ(笑)。この鳥は何でしょう?」
「ジャパネスクですよね。頑張れニッポン!(笑)。」
家内「ところで、このチーズを食べながら飲むと美味しいですよ(笑)。」
「おーっ!おーっ!なんと! このチーズは何ですか?」
家内「コンテ・ド・モンターニュです。このレベルのワインでしたら、合わせる料理は私には作れません(笑)。良いチーズに合わせるのが手っ取り早い(笑)。」
驚嘆のグレートワインでした。
試飲会半ばでクロー・ド・ネルは売り切れてしまいご迷惑をおかけしました。休み明けにインポーターさんに早速追加を打診いたしますので、お待ちくださいませ。在ることを祈ります!
大勢のご来店ありがとうございました。
桝久商店 岡本利秋・昭子