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Written on 2015 07 27

桝久 試飲会リポート 201507

Jul 27, 2015 by weblogland |
昨日、一昨日とっても暑~い中、お越しくださりありがとうございました!

まずはウェルカムのカバ
◯ヴィーニャ・アデイラ カバ ブリュット・ナトゥーレ ロペス・モレナス スペイン 発泡性 白 カバ 750ml 1203円税込み
「ぷはぁ~。旨いなぁ(笑)。まさにウェルカム(笑)。マスキューさんの言うところの『清涼感の塊』ね(笑)。」
「けっこうガチっとしてるよね。割りとスパルタン(笑)かな」
「レモンやライム、グレープ・フルーツなんかの果実味が自然で、飲むと口の中を広がる広がる(笑)。あと、後口が綺麗。」
「そうそう、後口がべたつかない。カバって割りと後口がべたついたりするけどそれがないよね。」
私「最後に糖分添加しないいわゆるノン・ドセです。」
「へぇー。カバのノン・ドセって難しいんだよね。」
私「そーなんです。カバは暑い産地のワインですから基本的に酸がない。それをドザージュしないと厚みがなくてペラペラになりがちです。かなり薄く感じてしまいます。この点このカバはペラペラ感がなくて良いかと(笑)。」
「それって何故ですか?何故このカバはペラペラに感じないのですか?」
私「マロラクティック醗酵をブロックすることで減酸を止めています。」
家内「あと、産地が割りと標高が高いかもしれません。」
「カバってバロセロナの近くの暑いところで造られますよね?」
家内「バルセロナの西のペネデスが有名ですが、最近はそこ以外の各地にカバD.O.を認めています。ちなみにこのカバはポルトガル国境付近のD.O.ルベラ・デル・グァディアーナの中心部でD.O.カバ認証を取得したものです。いまやカ.バ.は原産地呼称と言うより、作り方の限定呼称になったようです。」
「セパージュの縛りも無くなったんですか?」
家内「このカバはマカベオ90%、パレリャーダ10%。チャレロは使っていません。」
私「マカベオは酸よりも厚みに作用する品種と思ってましたから意表を突かれました(笑)。」
「カバって名乗れれば売りやすいことが産地間の競争にも繋がるから、良いことでもあるよね(笑)。」
「へぇー、需要があって売れてるんだな(笑)。原産地呼称も商売あってだからね(笑)。」
「テレビの料理番組でもカバは良く出てくるもんね(笑)。」
「あっ、それって『チューボーです。』だ(大爆笑)。」


続いてはイタリアの泡
◯プロセッコ 『トレヴィソ』 エキストラ・ドライ レ・コンテッセ イタリア ヴェネト 発泡性 白 750ml 2000円税込み
「あっ、これ良いね(笑)。ちょっと甘いけど旨い。」
「エキストラ・ドライって書いてあるけどな?」
私「残糖分は10グラム以上ありますよね(笑)。」
「特徴的な味。好きだなぁ。」
「プロセッコってこんな味だったっけ(笑)?少し甘くて飲みやすいくらいの印象しかない(笑)。」
私「プロセッコらしい味わいですから、資格試験受験される方は覚えるには最適のワインですよ(笑)。」
「このラムネみたいな味。おじさん好きだなぁ(笑)。」
私「私も大好きです(笑)。」
「マスキューさん!以前売ってたイタリアのヴェネトのピノ・グリもラムネの味わいがしましたよね。このプロセッコと共通してますよね?」
私「さすが!どちらも収穫を早摘みにしています。」
「遅く摘むことは良く聞きますが、早く摘むこともあるんですね?」
私「赤ワインの場合は青臭くなりますが、白ワインの場合は搾汁を優しくすると青臭くならないようです。リンゴ酸由来のライム香もラムネのような感じになります。逆に完熟するとライム香は鋭くなります。」
「へぇー、面白いやり方ですよね。地域性ですか?」
家内「ポルトガルのヴィーニャ・ヴェルデやスペインのチャコリなんかも似た意識があります。」
私「雨が多い産地に共通した行き方みたいです。アルコール分は上がらないけれど葡萄の質と量を確保するには一番効率の良い行き方のようです。」
「じゃあ、日本でも良いかも(笑)!ラムネ味は日本人好みだし(笑)。」
私「はい。あとこのプロセッコはアルコール分が11%です。タンク内二次醗酵前の原料ワインのアルコール度は恐らく9.5%くらいです。プロセッコじゃなくて『ジャパセッコ』が可能かと(笑)。」
「『ラムネっ子』なんてイーかも(笑)。メーカーさん、誰かパクって(笑)。」
「ラムネっぽさに桃みたいな柔らかい香りがして素敵。『ラムネっ子』より『ラムネっ娘』がこの場合正しい(笑)。女子大好き味(笑)。」
私「おじさんも好きです(笑)。」
「マスキューさん、ところでこのプロセッコ 泡がしっかりしてますよね。瓶内二次醗酵したみたい。」
家内「タンクで二次醗酵した後にタンクを移して澱引きします。この際ガスが失われないようにワインを移す空のタンクに炭酸ガスを充填したままワインを移動するそうです。設備にお金をかけていますね。」
私「プロセッコの生産者は中規模から大規模のお金持ちが多いですね。この点このプロセッコの生産者レ・コンテッセは規模は小さい。お金持ちですけど(笑)。プロセッコ用の葡萄も自分の畑で造りますから、目が行き届くと。買い葡萄はしないようです。」
「なるほど、だから特徴的なプロセッコが出来るんだな。」
「日本に入ってくるプロセッコは大量生産品なんだな(笑)。だから甘くて飲みやすいだけの印象しかない(笑)。」
家内「プロセッコは世界的に流行りましたが、本人達は『プロセッコよりスティルワインの方が美味しいよ』みたいな感じなんですよ(笑)。」
「世事を見ながら流されない ラテンの血が流れてるね(笑)。」


さて、泡のトドメ
◯クレマン・ダルザス エキストラ・ブリュット ドメーヌ・アルベールマン フランス アルザス 発泡性 白 750ml 2962円税込み
「アルベールマンってマルセル・ダイスやトリンバックなんかと並び称される自然派のスター生産者ですよね。よく入荷しましたね(笑)。」
私「リースリングやピノ・グリなんかも試飲しましたが、マルセル・ダイスに似た濃いスタイルでした。値段も同じように高いし(笑)。美味しいけどしょっちゅうは飲めない(笑)。そうするとこのクレマンくらいが身の丈に合っているかと(笑)。」
家内「でも、ちょっと難しい(笑)。すぐに香りが出ないんですよね(笑)。」
「キメが細かいなぁ。泡の出方が素晴らしい。液体の中から涌いてくる(笑)。」
「旨味がスゴく品良く感じる。分子が細かいみたいな…。」
「旨味ブラス柑橘類…。」「セパージュは えーと ピノ・グリ リースリング ゲヴュルツトラミネールは入ってないかな…。」
「白ワインの品種のニュアンスが強いよね。」
私「はい。これブラインドやっても当たらないですよね。」
家内「ピノ・ブラン66%、ピノ・ノワール28%、ピノ・グリ 6% とピノ尽くし(笑)。」
「ピノ・ノワールが入っているとは!絶句するな(笑)。」
「重くならないんだな?」
「マスキューさんがブログで書いてあるような複雑さを感じないんですが(笑)…。」
私「グラスに注いだばかりですと、レモンやライムの柑橘類のニュアンスが支配的ですが、時間が経つとメロンや香草、黄色い果実やトロピカルフルーツのニュアンスが加わります。ただし派手な出方ではなくバランスが良く品があります。」
家内「翌日飲むとかなりハッキリしますが、翌日泡を飲むのはどうかと…(笑)。」
私「この辺が解りにくいところでして(笑)…。」
家内「何年間更に寝かしてから飲むべきワインかも知れませんね。」
金曜日の残りのクレマンを土曜日の最後に飲むと在るべき姿になっておりました。解りにくくてスミマセンでした!ちなみに泡もまだまだしっかり涌いていました。ごめんなさい!


さてさて、泡の次はマスキュー定番のハンガリーの白
◯トカイ フルミント ドライ 白 2014年 シャトー・デレスラ ハンガリー D.H.C.トカイ スクリュー・キャップ 750ml 1296円税込み
「おっ、これは随分飲んだなぁ(笑)。コスト・パフォーマンスの高いんだよね(笑)。」
家内「ヴィンテージが2013から2014に変わりました。2014は大きさが増しましたよ(笑)。」
「おー、突き抜ける突き抜ける(笑)。でもふっくら感もあるから飲みやすい。」
「スゴくフレッシュ!マスカットっぽさ ハチミツみたいな甘さもあるよ(笑)。」
「伸びやかだし、飲み込んだ後の余韻が長くて綺麗。安いんだけどなぁ(笑)。」
「泡の後に飲んでも全然負けない(笑)。勝ってるかも(笑)。」
「普通は泡の前に持ってくるところだけど、泡の後に並んでたから、私は飲む前からマスキューさんの意図は解ってたよ(笑)。」
私「やっぱり(笑)。」
「イタリアやフランスのワインとは全くちがうよね。どちらかと言えばドイツの方が近いニュアンスがあるよね。」
家内「オリーブ・オイルやバターではなく、塩や穀物オイルに合うスタイルかと。」
私「味噌にも合いますよ(笑)。」
家内「唐辛子味噌に豚肉と白菜を入れた鍋に合わすのが我が家の冬場の定番です。ワインの温度は常温。夏場は冷やしてベーコンを焼いただけでもグッド(笑)。」
「レモン醤油だったら何でもいけるね(笑)。」
「レモン醤油って、どう造りますか?」
私「レモンと醤油 ハーフ・ハーフです(笑)。」
「真央ちゃんだね(大爆笑)。」
「温度が変わるとワインの表情がこんなにも変わるんですね(笑)。それを上手く利用しなきゃね(笑)。」
私「上級者です!」


さて、次もヴィンテージ変わりの定番の赤。
●エルミータ・デ・サン・ロレンソ グラン・レゼルバ アルティーガ・フステル 2005年 スベイン 赤 セントロ マンチュエラD.O.750ml 1296円税込み
「マスキューさん!これも随分沢山飲みましたよ(笑)。」
「美味しいな(笑)。たしかに2004年とは違うね。…あの枯れたニュアンスはない。2005年の方が力がある。まだ延び代があるかな(笑)。」
「2005年はすっごくエレガント 美しいよね(笑)。」「綺麗の一語(笑)。」
「金糸の網はリオハワインでしたっけ(笑)?」
家内「リオハのすぐ近くのカンポ・デ・ボルハというD.O.です。テンプラリーニョにカベルネソーヴィニヨンを混ぜています。」
「グラン・レゼルバらしく整っているよね。カベルネが入っているとは解らなかったけど(笑)。」
家内「瓶熟成はしない今風の熟成スタイルのワインですが、リリースまで10年かけています。」
私「瓶熟成しない分逆に品質は安定してます。ミィディアムなワインだとこのスタイルの熟成法の方が良いのかも知れませんね。」
「トカイ・フルミントと言いエルミータと言い、ヴィンテージの違いってあるんですね。毎年違うんですね。」
私「今回は良い方に違いましたので、試飲会に出しました(笑)。悪く違う時には試飲会に出す勇気がありません(ホント)。」
家内「悪く変わった時は二人でこっそり試飲会です(笑)。」


さて、トリはちょっと暑苦しい赤(笑)。ミスマッチかな(笑)?
●『アパッシメント』2013年 カーサ・ヴィニロニア イタリア プーリア 赤 I.G.P. 750ml 1527円税込み
「おー、これこれ、『アパッシメント』。マスキューさん変なワイン見つけて来ましたね(笑)。一体どうやって見つけるんですか(笑)?」
私「試飲あるのみ(笑)!あとインポーターさんも我々の嗜好を知っていますから、こっそり耳打ちしてくれます(笑)。」
「これ、旨いな。イーですよ。」
「陰干ししたワインって巨大化するけど、決して飲みやすい訳でもないし、一杯飲むとお腹一杯になっちゃう(笑)。でもこれはちょっと違う。程好い(笑)。」
「マスキューさん定番のスポンサも似た造りだけど、このワインとはまた違いますよね。」
私「2週間ほど陰干しするスタイルなのでアマローネほどの極端さはありませんね。」
「飲むといかにも南イタリアン(笑)。南のモンテプルチアーノっぽいかな?」
私「モリーゼのモンテプルチアーノにも似てますよね(笑)。」
「プリミィティーボっぽさもありにはあるけど、ちょっと違うかな?」
私「ブラインドで飲んだ時はネグロ・アマーロ100%と思いました(笑)。」
家内「実際はメルロ60%、プリミィティーボ30%、ネグロ・アマーロ10%です。」
私「お恥ずかしい(笑)。しっとりしていて凸凹がないので単一品種かと思いました。」
家内「単一でないとすると混醸?謎が多い味わいです。」
「クリームのような香が強いのですが、樽香ですよね?トロイアに似てるかな?」
私「樽は使っているはずですが、割りと嫌みに感じない不思議さがあるんですよね(笑)。樽の使い方も上手いと思います。」
家内「あと、割に酸がありしっかりしています。寒暖差がある内陸部かも?」
私「好奇心をくすぐられるワインです(笑)。」


ちなみに本日のトップ・セラーは なっ なんと 『アパッシメント』でした。暑い中暑苦しいワインが一番売れる不思議(笑)。それはマスキューのお客様のワインに対する愛情と好奇心が暑さを凌いだ結果でございます。
ありがとうございました!

桝久商店 岡本利秋・昭子

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