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マスキユー 試飲会リポート 後半

Feb 03, 2016 by weblogland

●コーラ ロッソ 2012年 チラノ イタリア カラブリア 赤 I.G.P. カラブリア 750ml 1,758円税込み
「おー、これじんわり美味しい!真面目に造ってる感がイイね(笑)。」
「マスキユーさん。これもSO 2 無添加ですよね。でもビオ臭しないですよね?土の香りはするけど、これは心地好いのみ(笑)。ゼルボーネのN. V.とはこの辺違うかな?」
「2000年前の人達はこんなに美味しいワインを飲んでいたんだな(笑)。」
家内「ステンレスタンクは使っていませんでしたが(笑)。」
「このワイン品種が…マリオッコでしたっけ?う~ん。40才過ぎの私には覚えられない(笑)。古代品種なんですよね?」
私「50過ぎの私も覚えられませんから、ボトルに品種名を書いた紙をぶら下げました(笑)。」
家内「人の中にはマリオッコとガリオッポとマントニコが同じ品種と言われる方がいます。長い時間を経て現在ある品種ですから、きっと亜種も沢山あるのだと思います。」
「店長!この赤ワインは香りと言うよりも味わいで勝負するスタイルですよね。いかにも地中海系の葡萄らしい味わいですね(笑)。でも、白は香り勝負(笑)。何でかな?」
私「確かに両極端ですよね(笑)。白より赤ワインの方がプリミィティブに感じますよね。」
「白は規格外、想定外かな(笑)?」
私「もう少し勉強してみます。」
「マスキユーさん。最近SO 2 無添加や農薬不使用、有機栽培なんかのキーワードをよく聞きます。このワインなんか飲んでいますと、確かに自然で優しくて美味しいのですが、割高だったり極端に安かったりするので選びようがない(笑)。どうしたら良いのですか?」
私「悩ましいですよね(笑)。まず極端に安いものですが、高温で瞬間殺菌したりセラミック濾過をする場合が多いようです。経験的に感じるのですが1本の葡萄樹からボトル1本以下くらいしか果汁を得ない低収量でないと(理想的にはハーフボトル1本ほど)、いわゆる本物のビオデナミのワインはできないようです。ですから価格が高価になります。」
「普通はどのくらいの収量ですか?」
私「ニューワールドだと1本の葡萄樹からボトル4~5本分ぐらい作ります。生産効率はこのくらいが一番良いらしいです。」
「5倍も原価がかかるんですね。高いのも仕方ないんですね。そうするとこのワイン安いですね(笑)」
私「ケチなマスキユーらしいかと(笑)。」

●チロ・ロッソ クラシッコ 2012年 ジート イタリア カラブリア チロD.O.C.750ml 赤 750ml 1620円税込み
「おっ!これマスキユーさんの定番ワインですね。」
「南イタリアらしくて美味しいよね(笑)。滑らかでコクがある。」
「同じ南イタリアでもコーラとは趣が違う(笑)。同じカラブリアなんだけどなぁ(笑)。」
私「はい。これは今風の典型的スタイルです。クラシックに仕上がってますが(笑)。」
「このコーヒやカカオ、チョコレートの香りはいかにも南イタリアだよね。」
「コーラにはこのニュアンスあまり感じませんが、これは顕著ですよね。何故ですか?」
家内「このワインは木樽熟成しますからその影響です。」
私「果実味と樽香のバランスが良いです。この辺はテクニシャンです(笑)。」
「そーだよね。最近樽香の強いワインを飲むと辛くなるんだよね。年のせいかな(笑)?」
私「年のせいじゃありません(笑)。」
「店長!ビオ系のワインってあまり木樽を使いませんよね。何故ですか?」
私「鋭い!木樽を使うと微生物による汚染のリスクがありますから、SO 2 濃度を低くするために木樽を使わないようです。」
家内「木樽を使うイタリア、フランスのワインは割にSO 2 濃度が高いです。」
私「あと、滅菌の意識がもともと低い(笑)。」
「このワインと前半3本の赤ワインとでは舌触りが違いますよね?このワインはざらつかないけど、前半の3本はざらつく。何故ですか?」
私「よくお気づきで!たぶん前半の3本はまるっきり濾過をしないからだと思います。」
「でもこのワインの滑らかさが濾過に由来するなら、それはそれで良い結果だと思うのですが…。一様に濾過が罪悪と言う訳じゃないんですよね?」
私「おっしゃる通り!過度でなければ濾過は必要だと思います。じっくり時間をかけて清澄出来ればそれが一番なのです。」

●“マルピオーネ” プリミティーヴォ・リゼルヴァ 2009年 テヌータ・ヴィリオーネ イタリア 赤 プーリア D.O.C. ジョイア・デル・コッレ 750ml 3257円税別
さて、本日のトリです(笑)。
「これ、かなり凄い!まだ若いかんじもするけど2009年ヴィンテージなんですよね?」
「いかにも立派(笑)。」
「詰まっているものが違う。複雑な植物の香りが甘さの中に沢山入っている。青草やハーブ、青畳みたいな…。」
私「グリーンミント、ペパーミント、アニス、八角や甘草、ハーブの香りだけでもかなり複雑ですね。」
家内「まだまだ先を感じますよね(笑)。今ようやくピークの入り口です。」
「南イタリアのワインでも長く持つワインあるんですね?」
家内「このジョイア・デル・コッレのプリミィティーヴォだけは特別だと思います(笑)。10年くらい経つと凄く美味しいですよ。」
私「熟成のピークになると干し杏や樹上でゼリーのように熟した柿みたいになりますよ(笑)。」
「あー‼ 私、熟しきった柔らかい柿駄目なんですよね(笑)。」
「今はよく売られているプリミィティーヴォですが、まああれはあれで飲みやすいし充足感あります。でも、これは別物ですね。こんな威厳のあるプリミィティーヴォは初めてです(笑)。」
家内「昔はこのジョイア・デル・コッレのプリミィティーヴォはたまに輸入されてましたが、最近はあまり見かけません。ひさしぶりの入荷です。見つけて速攻発注しました(笑)。」
「南イタリアのスローな代表ワインですね(笑)。」

どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子

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