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桝久 試飲会リポート 後半

Dec 01, 2020 by weblogland
ウル・デ・イェブレ・シラー オーガニック 2018年 1+1=3(ウ・メス
・ウ・ファン・トレス)スペイン 赤 
ペネデスD.O. 750ml 1790円税込み
「あれ?マスキューさん1+1=3ってカヴァが多い生産者ですよね?」
私「はい。マスキューで扱っているカヴァは4アイテムです。それ以外のスティル・ワインは3アイテムです。カヴァだけではなくどれも美味しいのです(笑)。へそ曲がりなマスキューは一つの生産者のワインのつまみ食いが得意なのですが(笑)、1+1=3はどれを飲んでも美味しいのでついつい扱いが増えています(笑)。」
「そーだよね、私はカヴァのロゼにやられた(笑)。」
「さあ、これはどんなんかな(笑)。」
「おー!しっかりしてる(笑)。スパイシー。」
「黒胡椒。」
「甘味、旨味もたっぷり(笑)。」
「ジャムっぽくもある。」
「シラー100%みたいな味(笑)。」
「どう見てもシラー(笑)。」
「完熟してますな(笑)。アルコール分はいかほどですか?」
家内「14%あります。比較的高地で涼しい
畑の1+1=3にしては異例なほどです。」
「これブラインドで飲んだらローヌと答えてしまいますよ(笑)。」
「そうそう(笑)。南ローヌの上物(笑)。」
私「そうですよね(笑)。ジゴンダス辺りに似てますよね(笑)。エスピエやルビーンみたいにピノ・ノワール的なヤツじゃなくて、ペスキエみたいな比較的エレガントで落ち着いたものに似てます(笑)。」
「マスキューさん、ラベルに書いてあるウル・デ・イェブレって何ですか?」
家内「ウル・デ・イェブレはテンプラリーニョの地元での呼び名です。ちなみにこのワインはテンプラリーニョ85%、シラーが15%となっております。」
「えー!テンプラリーニョが85%も入っているのですか?信じられない!」
私「このワイン飲むとワインの品種特性が
解らなくなる(笑)。」
「テンプラリーニョって割りと色々な顔を持ってますよね(笑)。」
「クラシックなテンプラリーニョってしっとりとして、ベリーの香りがすぅーっと広がるイメージ。」
家内「実は2017年のキュヴェがそんな感じです(笑)。2018年の隣に1列並んでます
。」
私「でもこれしかありませんので、試飲はお許しを(笑)!」
「2017年と2018年は作り方が違うんですか?」
私「醸しの期間は2018年の方が長いと思います。2017年は短いのでその分タンニンが見立ちません。2018年は長いのでタンニンをしっかり抽出しています。」
「何故そうなったんですか?」
私「はっきりとは解りませんが(笑)、温暖化の性でワインの糖度が上がったために酸とのバランスが従来通りに取れなくなったのではないかと思います。」
家内「2017年はアルコール分が12%で折り合いがついていますが、2018年は14%
となっております。」
「なるほどアルコール分に見合うタンニンでバランスを取る方向に行ったのか。」
「産地で何かが起きている(笑)!」
「実際に植える葡萄を変えたりしてるみたいだよね。」
「ボルドーでシラーを植えるなんて聞いたなぁ。」
「1+1=3は作り方で対応してるのかな?」
私「2018、2019、2020年と暑くイレギュラーな作柄が続いていますから、大きく変わるような気がします。」
「AOCとかDOCGの枠では収まらなくなっては来てますよね。」
家内「実際にIGPが良い結果を出してますから、この流れは止まらないかも知れませんね。」

ウンクリン 2017年 ホセ・アントニオ・ガルシア スペイン 赤 ビエルソ
D.O. 750ml 2357円税込み
「うわっ!ラベル可愛い(笑)!」
「真ん中の小鳥は?ヒヨコ?」
「う~ん(笑)。ヒヨコに似てるけど、青いから違うよ(笑)。ブルー・バード 幸せの青い鳥だ(笑)!」
家内「飲むと幸せになる。幸せの青い鳥のようです(笑)。」
私「赤ワインのラベルに寒色の青を使うのって珍しいですよね(笑)。でも黄色だとヒヨコに成っちゃうか(笑)。」
「キャップ・シールのトップも同じ青でカッコいい(笑)。」
「さすがスペイン、デザイン性が高い!」
「さてさてお味は…。あー、伸びやか!どこまでも伸びやか!」
家内「もう少し液温が高いともっと伸びやかに感じます(笑)。」
「旨味もたっぷりあるから酸が伸びやかなんだな。収斂性がない。意地悪なところがないですよね。」
「ミネラルっぽさ…、貝殻みたいなニュアンスもある。基本硬質なんだね。ここワイン、かなりしっかりしてる。」
「タンニンがキメ細かい。シルキー?」
「スペインのビエルソにしては安いですよね(笑)。ビエルソって高いですもんね(笑)
。」
家内「彼有名なラウル・ペレスの功績です。このホセ・アントニオ・ガルシアはラウル・ペレスの弟子です(笑)。」
私「ラウル・ペレスはマスキューの定番でもございます(笑)。ホセ・アントニオ・ガルシアの方がよりエレガントに感じます。」
「思い出した(笑)!ラウル・ペレスのメンシアって怒涛のワインでしたよね(笑)。」
家内「実は1年ほど前このワインをサンプルとしてとって試しました。その際この特徴的な伸びやかさが出ておらず。却下
(笑)。1年たってようやく本領発揮しました(笑)。」
私「1年前にはまだ固さがあり、これほど良くなるとは思えませんでした(笑)。今日ティスティングしていただくワインの中で一番生命力があります(笑)。」
「香りの抜けが良いですよね(笑)。素晴らしい!でも派手さが無いからその分損してる(笑)。」
「メンシアって?」
家内「ビエルソのメンシアは150年ほど前にフランスから移植されたカベルネ・フランです。ややこしいことにスペイン在来のメンシア種と呼ばれるものもありますが、それはあまり香りの立たないもので主にブレンド用ワインとなります。」
「果実味は小粒の赤いベリーだからカベルネ・フランと同じなんだけど、こんなに滑らかなカベルネ・フランってフランスには無いよね(笑)。」
「ビエルソのメンシアって別格なんですね(笑)。」

ポン・デ・ガサック 2018年 ムーラン・ド・ガサック フランス ラングドック 赤 ペイ・ド・エローI.G.P. 750ml 2545円税込み
「あれ、このワイン高級な香りがする(笑)
。」
「凄く飲みやすい(笑)。美味しい(笑)!」
「飲むと笑顔になっちゃう(笑)。おいちい
(笑)。」
「2,500円の味じゃないね(笑)。コスト・パフォーマンス高い(笑)。」
「明るくてフローラル。果実のニュアンスがはっきりしている。」
「これ、セパージュは何ですか?ラングドックらしからぬ感じですよね。」
家内「セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン30%、シラー30%、メルロ30%、グルナッシュ10%のブレンドです。」
「へぇー、オール・スター・キャストだぁ
(笑)。」
「その複雑な果実が口の中でバーンと広がる。余韻も大きくて綺麗(笑)。」
「大物感たっぷり(笑)。」
「飲んでるとお腹空いてくる(笑)。」
「ラングドックに有りがちな真っ黒になってない(笑)。カベルネ・ソーヴィニヨンも入っているのも伝わってくる。複雑だよね(笑)。」
私「植える品種と畑の相性を探すのが大変。何処でもカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが上手く育つ訳ではありません
(笑)。」
「うんうん。育っても真っ黒になっちゃう
(笑)。」
「カベルネ・ソーヴィニヨンだったら何処でもオッケーな訳じゃないんだ(笑)。」
家内「ここは1970年代に創始されたドメーヌです。ボルドー品種をラングドックで成功させた第一人者です。最上級品はラングドックのラフィットと高く評価されています。もちろん値段も高い(笑)。」
私「このポン・デ・ガサックはネゴシアン部門のムーラン・ド・ガサックが長年研究・取得した自社畑の葡萄を使って作ったものです。様々なモザイクを張り合わせたようなワインです。」
「なるほどね。張り合わせた割りに完成度が高いのが凄いね(笑)。マスキューさん曰くの『折り合いが良い』(笑)。」
私「数十年の蓄積の結果かと。」
家内「成功したあと、近隣の農家と協力して上質なワインを普及品として世界的に販売しました。地元との結び付きのある
ネゴシアンとしても大成功(笑)。映画『モンデ・ヴィーノ』の中心人物として登場していました(笑)。」
「観た、観た!え~と、ロバート・モンダヴィが進出するのを阻んだ話でしたよね。」
私「土地を買い占めて巨大なワイナリーを作るカリフォルニア型のワイン作りを拒否した訳です。地元には良いことないですもんね(笑)。」
「自分ファーストだからなぁ(笑)。」

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