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桝久 試飲会リポート 後半

May 29, 2024 by weblogland
サンタムール 2020年 パコー・ヴィニロン フランス ボジョレー 赤 750ml 3960円税込み
「あ~あ!これ美味しい(笑)!」
家内「先だって飲んだときにはちょっと還元臭がしましたが、これはほとんど感じませんね(笑)。まあ、開けてからちょっとすれば還元臭は飛んでしまいますが。」
「とにかく飲みやすいんですが、凄くしっかりしている(笑)。しかも高級感がある(笑)。」
「まとまりが愛くるしい(笑)。可愛い!」
「上等なピノ・ノワールみたいですよね(笑)。」
私「ピノ・ノワールの親はガメイですから
このレベルだと違いが解りませんよね(笑)
。作り方は基本同じですし(笑)。」
「本当にボジョレーなんですか?僕はボジョレーと言えばボジョレー・ヌーヴォーのイメージしかありません(笑)。キャンディーやバナナの香りがガメイの香りだと思ってました(笑)。」
「そうそう(笑)。これは薔薇やストロベリーの香りだよね(笑)。ヌーヴォーとは違う(笑)。」
「作り方が違うのですか?」
私「基本的には同じですが、これはちゃんと熟成させたものです。あの香りがなくなってガメイ本来の果実味が出ています。」
「ヌーヴォーも置いておけばこうなるのですか?」
「汎用品的なヌーヴォーは残念ながらこうなりません。ただし、ヌーヴォーとしてリリースされても渾身の作りのものは何年か経つとピノ・ノワール的な香りに変わります。」
「マスキューさん得意のモリエールのヌーヴォーなんかそれだよね。ヌーヴォーとしてすぐに飲むにはもったいない(笑)。」
私「ありがとうございます!ちょっと特殊なほどですが(笑)。」
「香りと液体の味が一致してるよね(笑)。」
「大きいんだけど凸凹がないですよね(笑)。上品(笑)。」
家内「ずっとこの状態が続きます(笑)。とてもしっかりしています。飲みやすく軽くも感じますが(笑)、もともとの葡萄の良さを感じます。」
「うんうん。旨味が膨大でそれが出しゃばらない。」
「最近家で昆布だしを取ったのですが、『60℃で取るととても上品に取れる』と聞いてやってみたらその通しでした(笑)。このワインの旨味と共通してますよ!」
家内「一般に古い葡萄樹からのワインはしっとりとして旨味がとても感じられますので、最初このワインも古樹だと思ってましたが、実際は樹齢10年ほどと知り驚きました(笑)。グリーンハーベストや撰果を丁寧に何度もした結果だと思います。」
私「しかもこのドメーヌはマコンがメインでクリュ・ボジョレーは最近始めたばかり。新進気鋭のドメーヌとして高く評価されている訳です(笑)。」
「雑味が無いんだよね(笑)。」
私「プレスしないで上澄みだけでワインが作られているからです。」
「タンニンは沢山入っているけど全然タニックには感じませんね(笑)。とにかく綺麗なタンニン。」
「マルセル・ラピエールのボジョレーに似てますよね?」
私「良くご存知で!マルセル・ラピエールのボジョレーより醸しがちょっと長いように思います。微妙な塩梅と意図したスタイルだと思います。」
「あの薄旨いボジョレー!好きでだいぶ飲みましたよ(笑)。」
私「マルセル・ラピエールはブルゴーニュのカミュみたいですよね(笑)。これはもっとクラシックなスタイルだと思います。」
「香りと味わいの伸びが圧巻(笑)!これもビオ系のワインですか?」
私「ご名答!でもビオ、ビオしてませんよね(笑)。」
家内「フランスの国家認証の『ヴァン・メソッド・ナチューレ』を取っているようです。ラベルには全く謳ってませんが(笑)。」
「『普通にワイン作ってるんだから』ってプライドなんだろうね(笑)?」
私「リヨン辺りのワイン・ショップで『ブルゴーニュらしいワインを下さい。』なんて聞いたらコレを薦められるかもしれません(笑)。」
「マスキューさん!このワイン飲み干してグラスの底にちょびっとだけ残ってますが、香りが変わらない(笑)。一滴口の中に入れても美味しい。ひとつ前のスペインのガルナッチャは酸っぱくなってる(笑)。」
私「品質の差かと(笑)。」



〇ファモーズ・クリュ・アルティジャナーレ 2019年 サンタ・ルチア イタリア エミリア・ロマーニャ 白 IGTルビコーネ 750ml 3677円税込み
「コレが今回のトリですね。ラベルがキンキラキン(笑)!」
「液体もキンキラキンだぁ(笑)。」
「マスキューさん!先月はティントーレとピエディロッソと赤の地場品種でしたけど、今回はファモーズ!ニッチなところ突いていて宜しい(笑)!」
「イタリアって品種が多いからそれだけでも楽しめますよね(笑)。赤は様々な品種が先行して入っていたけど、白も沢山の品種があるのですね(笑)。」
私「白はステンレス・タンクの使用、温度管理や衛生管理が進んだため80年代の後半から品質自体が良くなりました(笑)。」
「白は特に温度管理が重要だから、それが出来ないと大した白ワインは作れませんよね(笑)。」
「そうだよ(笑)。昔フィッシュ・ボトルの白を有り難く飲んでたけど、そんなに旨い物じゃなかった(笑)。」
家内「ヴェルディッキオ・ディ・カステーリョ・イエージですよね。いつの間にか見なくなりましたね(笑)。」
「あと藁巻きのキャンティ(笑)。」
私「もともと多様な品種がイタリアにはありますから、それを使った唯一無二の白ワインが狙い目かと(笑)。ケチでへそ曲がりのマスキューじゃない戦略です(笑)。まっ、まっ、どうぞお試しください。」
抜栓してから気づきました!
ちょうどイタリア・ワイン・ラヴァーのMさんに聞きました。
私「Mさん!今このワイン常温で飲んでいただいてますけど、どうでしょう?ちょっと冷やしてみますからお試しくださいませ。」
Mさん「う~ん。絶対にちょっと冷やした方が良い!常温だと強さが目立つ。あと、もわーっとなる(笑)。」
家内「20℃以下が良いかな?」
私「15~20℃の範囲ならオッケーですね(笑)。全体のディテールとバランスが取れますね(笑)。ご協力ありがとうございました!」

そうしていよいよ準備万端開始です(笑)。

「あ~あ!コレ凄いね!『ファモーズ』なんて知らなかったけど、凄いワインが出来るんだね。」
「まさに言葉を失う味わい。旨味と香りの塊だね(笑)。」
「エミリア・ロマーニャの何処ですか?」
家内「ボローニャの近くです。地元ではこの新酒を使うと美味しい白ワインが出来るとこだわる少数の生産者がいるようです。近年遺伝子解析をしたら亜種ではなくオリジナルの品種と判明してから力が入ったようです(笑)。」
「桃…、メロン…、果実味の凝縮感は凄い
、圧巻。その広がりや余韻も含めて巨大。」
「なかなかお目にかかれないレベル(笑)。」
「やはり世界最古のボローニャ大学があるだけのことはある(笑)!」
「変に香りが突出してないところがまた凄い。トロピカルと言うほどではないし。」
「ひとつひとつのワインの要素は飛び抜けているのだけど、全体としてしっくり来ている(笑)。単一品種とは思えない。」
「深い…。」
私「折り合いが高度かと(笑)。ここで問題です!このワインのアルコール分はいかほどでしょう?」
「う~ん。濃いけれどぶっきらぼうなところはない。13%くらいかな?」
「無理に遅摘みしてはいない。ハニーさが強調されていない。13.5%かな?」
私「私もそれくらいだと思いましたが、正解は14.5%でした(笑)。思いっきり外しました(笑)。きっと特殊な晩熟タイプの品種なんでしょうね。『ファモーズ』のオリジナリティーなのかと思いました(笑)。まあ、グレート・ワインかと(笑)。」
「マスキューさん曰く『渾身』のワインですな(笑)。」
私「えへへ(笑)。ありがとうございます。」
家内「香りの構成がマスキュー定番のローヌの白 シャトー・ド・バステの『アエリス』に似ています。マルサンヌとルーサンヌとヴィオニエの混植混醸したものです。」
「店長!ファモーズってヴィオニエに似てますよね(笑)。桃、ネクタリン、メロン…
ヴィオニエとしてもかなりの高級品(笑)。

「コンドリューみたい(笑)!木樽は使ってますよね?」
家内「一部使ってます。」
「使いすぎてない。タルタルしてない(笑)
。」
私「北ローヌのヴィオニエは樽を使い過ぎていて…。〇〇〇なんですよね(笑)。昔のシャトー・グリエに近いかも?あれほどメロンっぽくはないか?」
私「このワイン、ザコルの白『リーナントデュ』にも香りの構成は似ています。ただ『リーナントデュ』とは熟成のスパンが違うかな。」
「樽のニュアンス…、クリームっぽさがあるからクリーム系の料理には合う。」
「これだったらボロネーゼも大丈夫(笑)?」
私「生ハムメロンしか思い浮かびません(笑)。発想が貧困でスミマセン!」
家内「あとになるとソーヴィニヨン・ブランのような樟脳のニュアンスも出てきます。」
「う~ん。和のニュアンスもあるんですよね。膨大な旨味だけじゃなく(笑)。」
「ところでIGPにルビコーネってありますが、ルビコン川?」
「ちょっと調べると…。おっルビコン川ですよ。え~と、汚い小さな小川ってある
(笑)。」
私「堂々たる大河じゃないんですかぁ(笑)?」
「埋め立てたりして川がなくなったりすることはありがちですが(笑)。」
「かなり昔のことですしね(笑)。」

あと、今回の並びどうしてもリースリングとファモーズを離したかったのです。
ご理解いただけたかと(笑)。

どうもありがとうございました!
桝久商店 岡本利秋・昭子
最近物忘れが良くて良くてご迷惑おかけしております。『あれ』、『それ』、誤字、脱字連発中。アルツ利秋、ハイマー昭子、二人合わせてアルツハイマーでございます!
ありがとうございました!

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