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Written on 2017 05 29

桝久 試飲会リポート 201705

May 29, 2017 by weblogland |
まずはミュスカデ2連発です!
〇ミュスカデ・セヴル・エ・メーヌ・シェル・リー VV 2015 B&D マルタン
フランス白 ロワール 750ml 1542円税込み

〇ミュスカデ モニエール―サン・フィラクル  B&D マルタン 2010年 フランス ロワール 白 ミュスカデ・セヴル・エ・メーヌA.C. 750ml 2160円税込み

「おっ!マルタンのミュスカデですね(笑)。これずいぶん飲んだよね。」
「これからの暑い時期のマスト・アイテム(笑)。」
「ミュスカデって言うとしゃばいワインが多いんだけど、これは厚みがあるから
飽きないよね。」
「酸っぱいけど爽やか。」
「レモンに合うよね。」
「塩辛さもイイ。」
家内「レモンや塩との相性抜群ですよ(笑)。」
私「真夏にお皿にオニオン・リングをてんこ盛りにして塩とレモンを搾りかけ、ひたすらミュスカデを飲みながら食べる!
私の至福の夏の楽しみです(笑)。」
家内「私は海老のフリッターです(笑)。」
「マスキューさん!何でこんなに酸っぱいんですか?」
私「特徴です(笑)。品種の特徴とテロワールと特徴とでも言いますか。今風のよく見られる葡萄の収穫を無理に遅らせません。それはリンゴ酸をより残すスタイルでもあります。基本的に澱とともに1年ほど木樽熟成しますから、リンゴ酸はマロラクティック発酵により半減し熟成過程で酸の角はとれます。」
「それでもこんなに酸っぱい(笑)。リンゴ酸がもともとたくさんあるって言うことですか?」
私「仰るとおりです!」
「甘いミュスカってマスカットの香りがプンプンするけど、これはしないんだよな。まあ、暖かい産地のものだから、これとは別物なんだろうな。」
「そうそう。あれはデザートだし、あれじゃ食事に合わせられない(笑)。」
「そうするとその差は文化の酸のだね(笑)。」
「シュール・リーって何ですか?」
家内「白ワインの熟成の過程で澱とともに熟成させることを言います。澱のタンパク質がアミノ酸になってワインの旨味・厚みを増します。」
私「そしてこれと同じマルタンが造った渾身のミュスカデです。もちろんシュール・リー。ただし30ヶ月してます(笑)。」
「おー!途方もないね(笑)。」
「これ、私には強すぎて無理(笑)。」
「凄いなコレ。でも基本的には同じなんですよね?」
家内「はい。ただしミュスカデ最良と言われている『モニエール』と『サンフィアクル』の畑の葡萄を使っています。地図で調べると他の畑より標高が高く50m くらいあります。」
「標高が高いと良いワインが出きるんですか?」
家内「はい。水捌けは低い畑より良くなります。そうすると出来る葡萄も水っぽくならない(笑)。」
私「もちろん、そんな恵まれた畑ですから低地の畑よりさらに収穫量を制限するとモア・ベター(古い!)」
「マルタンのミュスカデって通常のものも濃さがあるけど、さらに濃く造ったものが2010年の方なんだな」
「こんなミュスカデあるんですね(笑)。フランス人って凄いな(笑)。」
「これってどのくらい濃いんですか?」
私「グラン・クリュ規格以上の濃さですね。60年以上の古い葡萄樹だけで造るようです。」
「葡萄の木ってどのくらい持つんですか?」
私「制限なく葡萄を成らすと10年くらいで枯れるようです。しっかり剪定し葡萄の房を11房以下にすると100年とか持つようです。ただしそうなると採れる葡萄果汁が著しく低下しますから採算が取れません。ですから大概はある程度の樹齢を迎えると畝ごとに新しい葡萄樹に改植します。ですから樹齢を言う場合平均樹齢何年と言う言い方をします。」
「2010年でもまだまだの感じですけど、どれくらい持ちますか?あと熟成するとどうなりますか?」
私「あと10年たって一度飲んでみたいですよね(笑)。果てはトロトロになるような気がします。20年は平気で持つと思います。たぶん(笑)。」
「へぇーそんなに持つんだ!」
「店長!マルタンのこれらのワインはシュール・リーしてるんですが、木樽を使っているんですか?木樽のニュアンスは全くしませんよね?」
私「はい。木樽のニュアンスは全くしませんよね(笑)。50年前におじいちゃんが造った450Lの木樽をまだ使っているそうです(笑)。」
家内「木樽の内側は酒石酸でガラスのようにコーティングされているようです。」
「えー!だから木のニュアンスしないんですね。でも衛生管理はどうするんですか?全く樽を洗わない(笑)?」
家内「樽が空の時に何らかの形で殺菌はすると思いますが、どうしてるのかよくわかりません(笑)。今度聞いてみますね。」
「店長!あと酒石酸は液温が上がると溶解しますけど、気にしないんですか?」
私「みたいです(笑)。ひょっとして出荷前に酒石酸を取り除いているかもしれません。」
「どうやってやるんですか?」
私「ワインを冷やすと酒石酸は結晶になって析出されますから、わりと簡単です。」
「マスキューさんこの2種類のシュール・リー、30ヶ月熟成の方は確かに強さが凄いんですが、後ろに膨大なものが隠れているような感じがしますよね(笑)?」
私「はい。まだまだ硬くリンゴ酸にマスキングされていますが、物凄く多量の旨味が隠れています。」
「2015年の方はライムやレモンの香りが支配的ですが、2010年の方はそれにグレープ・フルーツのニュアンスが加わってますよね?」
私「さすが!実はレモンやライムの香りは熟成するとグレープ・フルーツのようになっていきます。」
「なるほど!リースリングなんかもそうですよね。」
「マスキューさん!この2010年のワインは佇まいスタイルが前の試飲会でだしたバシュレのアリゴテに似てますよね(笑)。
まあ、品種や味わいは違いますが(笑)。」
私「そーなんですよ(笑)。どちらも高貴じゃないけどプリミィティブで渾身(笑)。
とんでもない熟成能力です(笑)。私好きなんですよ(笑)。」
家内「私も大好き(笑)。」
「マニアックで良い(大爆笑)!」
「マスキュースタイルなんですね(笑)。」
そんなこんなでマニアックな2010年のミュスカデ、試飲会中に完売してしまいました。マスキューのお客様もマニアックでした(笑)。ごめんなさい!


〇 モンテ・ダ・ペーニャ レゼルヴァ ホワイト 2012年 モンテ・ダ・ペーニャ ポルトガル 白 ヴィーニョ・レジョナル・アレンテジャーノ 750ml 1728円税込み
私「ミュスカデとはうって変わったスタイルの白ワインです(笑)。」
「これはこれでイイね(笑)。ミュスカデとは真逆(笑)。」
「香りはハッキリしないけど深いし複雑。アルコリックでもない。」
「そうそう。バランスが良くて凄く飲みやすい!」
「強い2010年のミュスカデの後でも霞まない(笑)。別物として美味しい。」
「どう表現したら良いのですか(笑)。」
私「ミュスカデはリンゴ酸たっぷり、このワインはリンゴ酸が少ない。大きな違いはこんな風に言えますか(笑)。」
「ミュスカデの方が冷涼でポルトガルの方は暖かな感じですよね(笑)。」
家内「このワインはスペインとポルトガルの山間部で造られます。とても暑くてしかも雨も降らない過酷な環境です。標高も高く、そのため1900年頃スペインから侵入してきた害虫フィロキセラもこの地にはたどり着けなかったとか(笑)。樹齢100年を越すプレ・フィロキセラの葡萄樹も残っているそうです(笑)。」
私「畑の写真を見ると石灰質で真っ白。草木も生えていません(笑)。」
「じゃあ農薬もいらない(笑)。」
私「自然と収穫量も制限されます。」
家内「なんたって水もない(笑)?」
私「あと面白いのは植えられている葡萄が聞いたことのない地場品種4種類(笑)。混植され、しかもワインは混醸されています。かなり特殊なワインです。」
「へぇー。品種が違うと収穫時期は違いますよね?」
家内「はい。ですから混植の場合畑の標高差を利用し収穫をコントロールして行うことが人為。これはかなり特殊です。収穫時期の出っ込み引っ込みを含めて良い案配にワインが出来上がるとしか思えません。」
私「特殊な地域の特殊な区画だからこそのワインなんですね(笑)。」
「風土・産地の違いがとても感じるよね。
合わせる食べ物も違うよね(笑)。ポルトガルの方はどうみたってオリーブオイルだ(笑)。」
「ニンニクも合いそう(笑)。」
「アヒージョ!」
「マスキューさん、ところでミュスカデとポルトガルのこのワインは供出温度が違いますね(笑)。意図的?」
家内「バレましたね(笑)。ミュスカデは10℃以下、ポルトガルは15℃をちょっと上回る温度でお出ししています(笑)。」
「なるほどね(笑)。技使ってますな(笑)。」
私「いやいや技と言うほどのものじゃございません(笑)。ミュスカデのリンゴ酸は低い温度の方が映えますし、逆にポルトガルの旨味の酸は低いとぼやけます。」
「あっ!わかった!だからミュスカデの旨味はあまり強く出てなかったんだぁ。」
私「よくお気づきで!そーなんですよ(笑)。参ったなぁ(笑)。」
「ところでマスキューさん。最近のポルトガルの白ワインはフレッシュでフルーティー 酸を残すタイプのものをよく見かけますよね。あれは?」
私「はい。低温管理とマロラクティック発酵をブロックすることで造られます。」
「なるほど!技術で克服するんですね。」
家内「美味しくて価格が手頃だとありがたいワインですよね(笑)。」
私「熟成しなかったり、寿命も短いですから、早飲みのデイリーなカテゴリーとしては良いかと。」
「マスキューさん!ところでこのワインは熟成しますか?おそらくすると思います。ただミュスカデ2010年ほどの生命力はないと思います。最終的にはシェリーのドライのようになると思います。」

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