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昨日はどうもありがとうございました。

Jan 29, 2012 by weblogland
昨日は試飲会にお越しいただきありがとうございました。

まずはイタリア美食の地エミリア・ロマーニャの白ワイン2連発です。ファットリア・モンティチーノ・ロッソが造るスタンダード・キュヴェ アルバーナ・ディ・ロマーニャ2010年とその上級キュヴェ『コドロンキオ』2009年の飲み比べです。
「このアリバーナ2009年を前に飲んだんですが、2010年の方が作柄がイイようですな。」
私「2010年の方がアルコール分が0.5%ほど高いですから、2010年の方が糖度が高いです。良くご存知で(笑)。」
「スタンダードは柑橘類やトロピカルなニュアンスがテンコ盛り(笑)。『コドロンキオ』はグレープフルーツの香りが支配的ですがアカシアのハチミツやら…、実に深い。」
「『コドロンキオ』凄いね。言葉を失うね。」
「『コドロンキオ』のハチミツの香りが貴腐のついた証なんですか?」
私「そーです。貴腐がつかないただの遅摘みですとハニーなだけです。複雑な果実の香りに欠けます。あと貴腐がついてると、後味にほんのり感じる苦みも特徴です。安く売っているベーレン‐アウスレーゼやトロッケン‐ベーレン・‐アウスレーゼなんかハニーなだけですから貴腐はついていません。」
「えっ?なんでですか?あれは貴腐ワインじゃないんですか?」
「はい。葡萄の糖度さえ規定の水準を超えればベーレン・アウスレーゼを名乗れます。ですから本物の貴腐ワインではありません。」
「そーだよね。本物の貴腐ワインだったらあんなに安く売れないもんね(笑)。」
私「モーゼルのリースリングを使った貴腐ワインですと1万円は越えます。」
「『コドロンキオ』は辛口だけど、ソーテルヌなんかにも辛口の貴腐ワインありますよね。」
私「良くご存知で。イケムのイグレックなんか代表です。」
「『コドロンキオ』と『イグレック』はどう違います?」
私「基本的には同じですが、『イグレック』は甘い貴腐ワインが造れない年に例外的につくる言わば苦肉のワインです。ですから残糖分にバラツキがヴィンテージによって出ます。『コドロンキオ』は最初から計画的(笑)。出来上がりのワインを想定して畑の葡萄の糖度を管理しています。」
「イタリアの白ワインって美味しいんですね。いままでイタリアの白ワインというとあまり印象にないんですよ(笑)。厚みがあってリッチなワインか、水みたいにがぶがぶ飲めるとか(笑)。」
私「実は私も最近までそうでした(笑)。ガルナッチャ・ディ・サンジミアーノかヴェルメンティーノ・ディ・ガルーラくらいしか美味しい白ワインの記憶がありませんでした。温度管理が出来るステンレス・タンクで完璧に低温管理ができるようになったことが大きな要因です。ここ10年あまりの進歩は目をみはります。」
「あとイタリア人て勝手に人と違うことをやるのが好きですから、面白いワイン造りそうですよね(笑)。」
「そうそう(笑)。法律なんかに縛られない(大爆笑)」
「フランス人みたいに保守的にテロワールに縛られない(大爆笑)。」
私「テロワールは大事にしますが、抜きん出たワインを造ろうとしますよね。フランスでそんなことしたら村八分。」
大盛り上がりの『コドロンキオ』でした。

さてシャトー レスタージュ・シュヴィヨン2007年 から赤ワインが始まります。
「これってメドックのブルジョワ級ですよね。安くありませんか?」
私「グラン・ヴァンは円高になっても安くなりませんが、こういった無名のワインには円高の恩恵があります(笑)。」
「マスキューさん得意技ですね(笑)。」
私・家内「狙ってます(笑)。」
私「このワイン軽いんですが、薄くなくてよろしいかと。クラシックなボルドーらしいワインかと。」
「たしかに軽い(笑)。でもしっかりしてるね。香りもチャーミング。」
「この味。初めて買ったボルドー・ワインの味だ。」
「軽いって言っても酸はしっかり入っているし、伸びが良いですよ。デイリー以上だね。」
家内「翌日になると甘味が増して、プラムの果実がまとまりよくなります。とてもチャーミングになりますよ。」
私「ワイン100本出る試飲会でこのワインが出ても見逃してしまいますが、ちゃんとゆっくり飲むと良さが解るマイナーなワインです(笑)。」
「うん。たしかに。ワインの価値ってインパクトのある第一印象だけじゃ解らないよね。」

そしてマスキュー定番のドメーヌ・フォンデュースの2005年です。
「臭いね(笑)。いかにもビオっぽい(笑)。」
私「フォンデュースは特別ビオと言う訳じゃないんですが、農薬はほとんど使いません。あと低収量を徹底してます。」
「この土臭さはロックフォールなんか鉄板だよね(笑)。いいなぁ。」
「たしかに『キュヴェ・ジュリエット2000年』とは違いますよね。でも共通した旨さがある。」
「南フランスらしからぬエレガントなワイン。ハーモニーが素晴らしい。」
「とても自然ですよね。抗うものがない。」
家内「時間が経つと臭さが抜けて美しさに変わりますよ(笑)。」
「最初の鉄っぽさは何ですか?」
私「まず最初の臭さは瓶熟成から目覚めた還元臭で、続く鉄っぽさはカリニャン由来の味わいです。どちらもゆっくり抜けて行き、果実味が現れてきます。」
「うーん。このワインってかなり凄いワインじゃないんですか?」
私「まだピークには至ってませんが、南フランスとしては異例の熟成能力はありますね。」
私「実は私カリニャンってあまり好きじゃなかったんですが、最近ちゃんと造ったカリニャンが好きになってきました(笑)。」
「安いカリニャンってチープで下品だけど(笑)、良いカリニャンは南フランスの料理には合いますよね。」
家内「そうそう。カスレなんかやっぱりカリニャンですよね。」
「このワインはコーヒーやチョコレートの香りがしますが、何由来なんですか?」
私「このワインは木樽熟成しません。ですから瓶内熟成の結果の葡萄果由来のブーケです。木樽由来の場合はもっとはっきり主張します。液体に溶け込んで中からホンノリと漂うコーヒーやチョコレートの香りこそ葡萄果由来の熟成香です。」

さてこれよりクライマックスです。スペインのヘビー級の登場です。
『マス・コレット』2008年 赤 カプサネス協同組合がつくるニュー・スタイル。このワインは今風にパリックを使いますがすべて古樽です。かたやティント・ペスケラ・クリアンサ 2008年 ティント・ペスケラ スペイン リベラ・デル・デュエロ 新樽のバリックを使うニュースパニッシュの成功者。
「『マス・コレット』は木樽を使ってないみたい。果実の酸がもの凄い!」
「『ペスケラ』のゴージャスさはいかにも、らしくて好きだな(笑)。」
私「『ペスケラ』はアメリカで『スペインのペトリュス』と評価され大ブレークしました。『マス・コレット』はイギリスの評論家が高く評価してますが、まだブレークしてません(笑)。」
「『マス・コレット』ゴージャスじゃないけど中味の詰まり方がもの凄い!」
私「『マス・コレット』はスペインの新しい銘醸地プリオラートを囲う新進の産地です。一方『ペスケラ』のリベラデル・デュエロは『ベガ・シシリア・ウニコ』の産地、スペインワインの最高峰ワイン産地として有名です。」
「マスキューさん『マス・コレット』好きでしょ(笑)?」
私「『ぐっ』(答に詰まる)」
家内「大好きなんです(笑)。」
私「プリオラートとちょっと違った洗練されたワインかと。この膨大な量の酸が、これほど整っている様はいままでのスペインワインにはないスタイルだと思います。」
「私は単純に『マス・コレット』のラベルが好き(笑)。」
「『マス・コレット』は協同組合のワインですよね。協同組合というとちょっと格下に思いがちですが…。実際には立派なワインを造ってますよね。」
私「その辺の意識もかなり高いのでしょうね。日本の農協的なものとは違いますね。造り手の意思を感じるワインです。独立の手段としての協同組合なんでしょうね。」

お疲れでした。
昨日はどうもありがとうございました。

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