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桝久 試飲会リポーター

Apr 28, 2014 by weblogland
昨日、一昨日とマスキュー店内試飲会にお越しくださりありがとうございました!

マスキューの店内試飲会は金曜日から土曜日のロングランとなりましたから、集中した混雑も多少緩和されましたが、なんせ二人でやっているものすので、私か家内のどちらかが欠けて一人の応対になることがあります。お許しくださいませ。

まずはイタリア トスカーナ唯一のD.O.C.G.の白です!
◯『ソラティオ』2012年 ファルキーニ イタリア 白 トスカーナ ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノD.O.C.G.750ml 1543円税別
「おー!こりゃ良いね(笑)。爽やかだけど弛くない。酸がきれいだね(笑)。」
「たしかに酸は綺麗だけど、かなり強いよね。広がりが素晴らしい!」
私「このワインはステンレスタンクだけで造られています。マロラクティック醗酵はしない いわゆるフレッシュ&フルーティーなスタイルです。エレガントに仕上がっていますから地鶏の水炊きをポン酢醤油なんかで食べながら飲んだら最高かも(笑)。」
「なるほどね。考えただけでヨダレが出ちゃうね(笑)」
「このワイン厚みがありますよね。出汁っぽいって言えば良いのか。旨味がある。」
「先月の試飲会のトカイ フルミントやグラシェヴィーノと共通する要素かのかな?」
私「おっ!さすが!共通の意図を感じますよね(笑)。」
「イノヴェーションの方向が似ているのかな(笑)。」
「それでも、中欧とイタリアの差はしっかりある(笑)。」
家内「このワインはオリーブオイルを連想しますもんね(笑)。」
さて、続いては『ソラティオ』の上級キュヴェの登場です。
◯『アブヴィネア・ドーニ』2010年 ファルキーニイタリア トスカーナ 白 ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノD.O.C.G.750ml 2571円税別
「こりゃゴージャスですな(笑)。」
「たしかに葡萄品種は同じだよね。ヴェルナッチャだよね。でも、栽培の規格がちがうよね(笑)。」
「それって良く言う格落ちじゅないってことですか?」
私「畑も違いますし、一本の葡萄樹からジュースをどれだけ得るかが違います。」
「て言うことは『ソラティオ』より『アブヴィネア・ドーニ』のジュースの方が濃いってことですか?」
家内「はい。ですから結果として『アブヴィネア・ドーニ』の方が濃密です。」
「なるほどね。アルコール分も『ソラティオ』は12.5%で『アブヴィネア・ドーニ』が13%なんですね。畑の陽当たりなんかの条件が違うんだね。『アブヴィネア・ドーニ』が斜面の陽当たりの良い畑で『ソラティオ』がその斜面の下の平らな場所だったり(笑)」
「口の中の広がりや余韻が物凄い(笑)。」
「熟成能力も違うんですね。」
家内「でも『ソラティオ』は抜栓直後から美味しく飲めますが、『アブヴィネア・ドーニ』の方はバランスが整うまでに、ちょっと時間がかかります。翌日飲むとベストなくらいかな。」
私・家内「このファルキーニはイタリアの白ワイン造りで、樽醗酵樽熟成で初めて成功した生産者です。暖かいイタリアではどうしても良い白ワインを造るのが難しく、がぶ飲みの薄い白ワインが主流でした。初めて『アブヴィネア・ドーニ』を飲んだ時は感動(笑)。イタリア一美味しい白ワインだと確信していました。」
「なるほどね(笑)。マスキューさん思い入れの1本ですね(笑)。そうすると最近のイタリアの白ワインってバラエティーに富んですごく面白いんですが、最近のことなんですね?」
「今はどこも温度管理できるステンレスタンクを使えるようになったという訳ですね(笑)。」

さてこれから赤です。安いからと言って馬鹿にしないように(笑)。
●キャンティー クワトロディチェージモ・セーコロ イタリア トスカーナ2013年 赤 750ml 1158円税別
「軽くて飲みやすい(笑)!」
「でも、薄くはないんだよね?」
「こりゃ、普段飲みのワインとしては上出来(笑)。サンジョヴーゼの味わいがする(笑)。」
私「ちょっと泥のついたチェリー。」
家内「ベースのオレンジっぽさはまだ出ていません。昨日の抜栓ですから、割りとしっかり出来ています。崩れません。」
「マスキューさんはよく、良いワインは崩れないと言いますが、ワインって栓を開けてから良くなるものなんですね(笑)。」
「でも開けたら奈落の底に一直線なんてワインもある(大爆笑)。」
「マスキューさん安いの探すのホントに上手いよね(笑)。」
私「ありがとうございます。私も毎日ワインを飲みますから、安いワインが必要なのです(笑)。」
家内「安くて美味しいと嬉しくなるし(笑)。」
「サンジョヴーゼって優しくて美味しいんですね。」

さてここで困ったことが!予定では『ガブリッチョ』2007年がキャンティの次で、実際金曜日はその並びで好評でした。わたしもサンジョヴーゼ繋がりで良い並びと思っておりました。ところが、『ガブリッチョ』2007年 が時間の経過と共に素晴らしい力を発揮してきました。あとのビリッロやボルゲリのワインを凌いでしまいます。このため究極『ガブリッチョ』2007年は最後に回すこととなりました。


●ビリッロ2010年 レ・コルティ イタリア トスカナ赤 マレンマI.G.T.750ml 1800円税別
「甘くて美味しい!すんごく飲みやすい。」
私「すぐ開けてすごく美味しい(笑)。」
「マスキューさんビリッロラベル変わったんですね。味わいも変わったような気がします。雑味がないですよね。」
私「セパージュは昔はカベルネ・ソーヴィニヨン主体でしたが、今はメルロ60%、カベルネ40%となっています。」
「ボルドーの綺麗なオーメドックのワインみたい(笑)。」
「たしかに、でもブラムの赤いニュアンスが印象的。クリアだな~。」
家内「この地でベストのセパージュが決まるまで10年くらいかかった訳ですね。」
私「やはり砂地だからメルロが適しているみたいですね。」
家内「マレンマみたいに暖かいところでメルロ造ると黒くなっちゃいますが、ビリッロはそれがない。」
「うんうん。驚くほど綺麗なメルロ。酸がなくても許す(笑)!」
「マレンマって昔からワイン造っていなかったんですか?」
私「はい。もともとが湿地でムッソリーノの頃に干拓したそうです。コルジーニ家は干拓に協力したため2700ヘクタールの土地をもらったそうです。」
「2700ヘクタール!どんだけ?」
家内「東京ドーム1000個くらいかな?」
私「もっともコルジーニ家はトスカーナ王国の皇太子の家柄ですから、貴族中の貴族。別格のようです。」
家内「最近までご当主の写真も出してなかったんですよ(笑)。」
私「瓶に自分のラベル貼って売るようになったのが1980年代の後半。それまでは下級貴族のアンチノリあたりにバルクで売ってあげていた(笑)。貴族は生産活動をしてはいけない!」
「イタリアって美しいけど、問題も沢山あるみたいですね。」
「まだ大土地所有制度が残っているんだ。」
「日本じゃ絶対に相続出来ない(笑)。」


さてさて、続いても貴族のワイン(笑)。


●ポルゲリ 2011年 バローネ・リカゾリ イタリア 赤 トスカーナ ボルゲリD.O.C.750ml 3086円税別
「うわっ!ヘビー!タンニンが凄いね。」
「色も黒いが果実味も黒い(笑)。圧倒的だな。ボルゲリって特殊だよね。」
家内「カベルネ・ソーヴィニヨンがメインのボルドースタイルですが、もうボルドースタイルじゃありませんね(笑)。」
「樽のニュアンスは強いけれど、液体濃度も凄いね。」
「チョコレート食べながら飲むと美味しい(笑)。」
「リカーゾリってボルゲリ造ってたんだ?」
家内「リカーゾリがボルゲリを造り始めたのは最近です。焦ってすぐに飛び付かなかったようです(笑)。まあ、万を辞しての登場かな(笑)。」
私「リカーゾリの造るワインって、基本的にエレガント。『カンポラ』なんてまさにそうですよね。ですから、どんなボルゲリになるか楽しみでした。強いながらも折り合いはついてますよね。割りと早くから飲めるように出来ています。」
家内「ボルゲリ味でもバランスが良い方(笑)。」


さて、今回モンスターぶりを発揮し、試飲会のトリを略奪した
●『ガブリッチョ』2007年 パクラヴァン・パピ イタリア 赤 モンテスクダイオ・サンジョヴェーゼD.O.C.750ml 2743円税別
「マスキューさん。モンテスクダイオなんてD.O.C.知らなかったなぁ(笑)。また、変なワイン見つけましたね(笑)。」
私「家内一押しです(笑)。」
「うわっ!濃密!でも樽のニュアンスをほとんど感じない。」
「最初のキャンティとは比べようがない密度感だけど…やはりサンジョヴーゼ。」
私「リキュールっぽいですよね。アマレットみたいなニュアンスもあるし。マラスキーノチェリーっぽい。」
「すごく複雑で立体的。」「マスキューさんがよく言うグレートワインって奴だね(笑)。」
家内「このワインはヴィンテージが2007年ですが、力があるからもっと若く感じます。」
「えっ!2007年なんだ!全然枯れていない(笑)。2010年くらいかと思いましたよ。」
私「まだまだ持ちますね(笑)。抜栓してから濃度が上がって滑らかさが増します。」
家内「このパクラヴァン・パピは引退したお婆ちゃんが、趣味で始めたワインナリー。原生林を開拓して畑をつくったそうです。もちろんお婆ちゃんが直接作業した訳ではありませんが、醸造のスペシャリストも雇ったとのこと。」
私「回りに畑がないので農薬の影響がないかららしいです。徹底しています。」
「ワインの価格も安いよね。まだ有名じゃないからかな?」
私「最初の白ワインの生産者ファルキーニも財をなしてからワインを造り始めました。イタリア人のDNAには『いつかワインを造りたい。』があるようです(笑)。」
「憧れるなぁ(笑)。」
「それにしても『カブリッチョ』って名前がイイ!」
私「思わず妄想しそうで良いでしょ(笑)。」

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